褒める=万能?成功体験とモノサシ。目線を合わす。
成功=嬉しい??
子供の自己肯定感を上げるにはとにかく褒めましょう。これって本当でしょうか?子供たちとの関わりで感じる褒めることの効力について。今回はそんなお話です。
昨日フィジカルスクールでの出来事。特別クラス※1)で頑張っている5年生2人が揃ってサッカー市選抜に選ばれたと報告があった。
※1)一般クラスより上の位置づけ、個を伸ばすことに特化した少人数クラス
市選抜は各チーム力のある子が1,2名選ばれる様なイメージで県選抜(県トレ?)より一つ下のカテゴリーにあたる。選抜なので誰でも入れる訳ではない。セレクションがあり、選ばれると他地域選抜と交流試合をしたりする。
『自分が選ばれた』
初めてこの様な経験をする子供もいて
市選抜に選ばれることは登竜門的な位置づけになっている。
選ばれて喜ぶ子が一般的だろう。
写真撮影拒否
うちのスクールでは達成したこと、表彰されたことをシェアする文化がある。
例えば、大会で優秀選手として表彰されれば写真を撮って掲載するなどだ。みんなのマイニュースをシェアすることが目的なのでスポーツ活動に限らずシェアしている。
そんなこともあっていつも通り写真を撮ろうとした。
ところが…
1人の生徒が明らかに乗り気じゃない。そこでピーンと来た。
『どうした?』
『…』
『このくらいじゃ写真撮りたくない?』と聞くと
『県トレ入ってから撮りたい』と。
お前は俺じゃねえ
そう。彼に取ってこれは通過点だったのだ。彼に取っての本当の成功体験は目標である県トレ(県選抜)に選ばれて初めて得られるのであろう。
こういうケースは元々肯定感の強い子に多い。
『選抜に受かった=嬉しい』という一般的な価値観に嵌らず、俺ならもっと出来る。おれはもっとすごいんだ。そんな感じ。
理由なき自信
彼の価値観に寄り添えば『コーチこんなもんで喜ばないでくれよ』って感じなのかな。やはり成功体験の押し付けは良くない。
周りの親御さんからすれば『何言ってんだ?』くらいの話かもしれない。が本気でそう思っているのだ。そう思えてしまうのだ。
僕はこれを『自己幻想=自分へ抱く幻想』と命名した。(ポジティブな意味で)
概念的には『自分を信じる強さ』に似ていて何かを成し遂げるための強力な燃料になる。
この辺りは本当に気をつけなければならない。人は様々な経験を積んで自分のモノサシ(=価値観)を作っていく。そのモノサシで人を測る。
挨拶はするべきだ
『〇〇すべき』はほぼ例外なく個々の価値観でそれを押し付けるから拗れる。これは人生経験の少ない子どもだって例外ではない。
お互いの価値観に寄り添い、本当に嬉しいと感じている。その瞬間を一緒に共有することが大事だ。本当に嬉しいと思っている瞬間?
子供の表情を見ていれば一発でわかる。
世界を共有させてもらう
子ども1人1人の価値観。何が嬉しいのか?どういったことにやりがいを感じるのか?どんな目標を持っているのか?
そんなことに向き合い、子ども1人1人の世界観を共有させてもらうこと。それこそが目線を合わせる前提にあるものだと思う。
子供の要求を全てのんで、やりたいことをやらせて、怒らなくて…僕の考える目線を合わせるとはそういうことではない。
スクール前の数分。子どもたちがわらわらと集まり思い思いに1週間の出来事を話してくれる。
『コーチ!今日登り棒が出来たよ!』
『学校でブリッジローリングしたらきもがられた!笑』
『この間の試合で体幹強くなってた!』
そういうたあいも無い話の中でこそ子供たちの顔は輝きに満ちている。
彼らの日常に触れ
少しだけ世界観を共有させてもらう。
その繰り返しこそ目線を合わせる第1歩なのだと僕は思う。
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