リズム感を伸ばす共感力!?呼応するリズム能力と共感性コミュニケーション

2022年5月2日

とある場所を目指して…

先日、ある目的で千葉県柏市まで車を走らせた。

目的とは山崎大輔さんにお会いすることだ。

2018年にドイツ・ライプツィヒで初めてお会いした以来、かれこれ3年ぶり?の再会になる。

現在は千葉県柏市でトレーニングスタジオStudioNavioを経営されていて

『運動で日常生活をデザインする』を理念に、人生を送るため、強く生きるために必要な『何か』を伝えるべく3歳の子どもから、一般層まで幅広く指導されている。

物事を哲学的に捉え言語化していく独特の感性も去ることながら

特筆すべきは『リズム』への造詣の深さ。

元々、カポエイラ※1のコーチとしてブラジルで指導されていた変わった経歴をお持ちの山崎さん。

※1)格闘技、音楽、ダンスが合わさったブラジルの護身術。文化。

今回はこの『リズム』について討論し、理解を深めるために訪問させて頂いた。と言うわけだ。

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ブラジル文化、カポエイラ

このカポエイラが実におもしろい。

複数の楽器隊がプレイヤーを取り囲むように輪を作り、その中でプレイヤーは一対一で対面。楽器隊が奏でる打楽器の軽快なリズムに合わせ、キックや逆立ちなど技を繰り出していく。

その間ジンガと呼ばれる独特のステップを踏みながら相手の動き、楽器隊が鳴らすリズムに乗り相互に技を出し合う。と言うもの。

実際のセッションも見させて頂いたが

雰囲気、高揚感?一体感?のようなものが感じられた。

独特のリズム、楽器の音がそうさせるのか。

そこには

『音』としてのリズム

『動き』としてのリズム

異なる性質の2つのリズムが存在していた。

そもそもリズムとはなんだろう?

NPO法人日本コオーディネーション協会JACOTオンライン講座の中ではこうある。

時間という区切りの中で知覚される刺激と刺激との間の長さ、間。

また、一つ目の刺激に応答、追従した行動。

他には周期的な動きや進行の調子とするものもあった。

生活リズムなんてワードは日常的に使うし、

私たちの身体もリズムによってコントロールされている(=生体リズム)

これはよくいう体内時計のようなものと考えていいだろう。

さらに言えばこの生体リズムをコントロールしているのもリズムだったりする。(サーカディアンリズム)

これは朝日と共に動くモードになり日が暮れると共に睡眠へ向かう。そんなサイクルをさす。

このリズムはおおよそ25時間周期でサイクルするが外部環境に適応して微調整されている。

完全な暗闇の中でも約25時間の周期で睡眠/覚醒サイクルを繰り返すと言うのだからおもしろい。

他にも心拍は『Heartbeat』だし

(心拍数になると『Heart rate』になるのもおもしろい。心音の『数』ではないことがわかる)

考えてみるとそもそも私たちの身体は多様なリズムを内包している。

話を戻すと

リズムとは一つ目の刺激に反応した後、2、3と周期的に続く特定の長さを持った動きや調子。と理解することができる。

カポエイラのリズムとコオーディネーション

カポエイラとリズムを考えてみる。

『音としてのリズム』これは楽器隊が鳴らす打楽器の音の周期

『動きのリズム』これはプレイヤー個々に持つ動きの癖やパターンの反復

国籍、性別、性格などの他、柔軟性、可動域、筋力、運動パターンなども構成要素だろう。

異なるリズムを持つ個と個が

楽器隊の音を媒介に呼応する。

まさに(呼応)コオーディネーションではないか!

以前、東独トレーニング学研究の第一人者鳴門大学綿引先生の勉強会で伺ったことがある。

『コーディネーション』と『コオーディネーション』違いはありますか?と

その時の答えがまさに『呼応が大事』と言うことだったと記憶している。

そう考えると楽器隊との呼応、プレイヤー同士の呼応

この全てにコオーディネーションの要素が含まれていると理解できる。

リズム感を向上させるには?

山崎さんに聞いてみた。

まずは自分の気持ちのいいリズムを知ること。と山崎さんは言う。

そのリズムを知るには?

他人のリズムを知ること。と続ける。

つまり、自他問わず多くの多様なリズムに触れること

比較対象があることで初めて明確になることは多い。

そもそも私たち人間は当たり前にあるもの、見えないものに気づきにくいのだが

自己が持つリズム感などと言う漠然としたものに気づく人はほぼいないだろう。

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スポーツとリズム

あの人とプレイすると心地よくプレイできるけどこの人とは違う

相手が合わせてくれているのか

自分が合わせているのか

いずれにしてもプレイが合う人はいる。

また、あるプレイヤーをマークしていたとして

この選手の動きは読みやすい。があの選手の動きは読みづらい。

こういった場合、独特のリズムが〜などと表現することがある。

このように他者のリズムに触れることで

自分が動きやすいリズム、捕まえにくいリズムが明確化されていく。

これらを経験するためにはもちろん

運動を通じた他者との非言語的なコミュニケーションが重要になってくる。

非言語的コミュニケーションとリズム

もっと言えば

それらを通じ

彼のプレイしやすいリズムはなんだろう?

どんなリズムが心地よいのだろう?

このような観点を持つことで

他者のリズムを媒介に自己のリズム確立を促す。

そう考えればリズム感=共感力

と表現することもできるし

荒木先生がおっしゃった

刺激に対する反応(=他者の発するリズムに敏感になることと仮定すれば)とも繋がる。

リズムトレーニングなど音を媒介にしたトレーニングもリズム感向上に一定の効果はあるのだろうが

人間という複雑系極まった個体を媒介にすることで

多様性のあるリズム感(観)は確立されていく。

君のリズムは最高だね。

ありがとう。君のリズムも素敵だね。

そんな風にコミュニケーション出来たら素晴らしい。

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Posted by JDI